当ブログでiPhone13 Proを買おうか迷っている、という話を書きましたが、ちょっと状況が変わってきました。
米国IT企業トップ4の頭文字を並べたGAFA(ガーファ)としてAppleに並ぶ存在となっているGoogleが新しいスマートフォン「Pixel 6」と「Pixel 6 Pro」を10月19日に発表したのです。
高級感のあるデザインや元々評判の良かったカメラ機能に加え、Googleがはじめてモバイル向けにリリースしたプロセッサ「Tensor」を積んだことで得意のAI(人口知能)やML(機械学習)性能を生かした新機能が使えるようになっています。
望遠カメラの搭載などによって差別化された上位モデルであるProは98$(116,800円)とiPhone13 Proを完全に意識した価格帯で、まさにハイエンドモデルとして勝負をかけてきました。
iPhone12から再燃してしまったガジェット心がここにきてオーバーヒート気味になっていますが、冷静に考えて、どちらを買うべきなんでしょうかね。
自分の判断材料を整理する意味で、それぞれの端末のポイントをまとめてみたいと思います。
■基本性能の比較
まずは基本スペックの主なポイント(カメラ性能をのぞく)を比較表に落とし込みました。
iPhone13 Pro | Pixel 6 Pro | |
公式価格(128GB) | 122,800円 | 116,800円 |
重さ | 203g | 210g |
高さ | 146.7mm | 163.9mm |
幅 | 71.5mm | 75.9mm |
厚み | 7.65mm | 8.9mm |
液晶サイズ | 6.1インチ | 6.7インチ |
バッテリー 稼動(容量) |
非公開 (推定約3100mAh) |
5003mAh |
充電形式 | 非公開 (最大23W) |
最大30W |
ワイヤレス充電 | 最大15W | 最大23W |
RAM | 6GB | 12GB |
ROM | 128GB~1TB | 128~256GB |
ネットワーク | Sub6のみ対応 | ミリ波対応 |
防水・防塵性能 | IP68等級 | IP68等級 |
認証 | 顔認証 | 画面内指紋認証 |
・サイズ感
Pro同士を比較すると、Pixelのほうが液晶サイズを含めてあらゆる点で大きめになっています。
Pixel 6 Proと同じようなサイズ感は、iPhone13シリーズでいうと、Pro Maxがあります。
もしもiPhone13とPixelのそれぞれのハイエンドモデルを比較するうえで、サイズ感をそろえるならば、iPhone13 ProではなくPro Maxにしたほうがよかったかもしれません。
ただ、予算感をそろえることを重視したため、Pro Maxで比較はしていません。
やっぱり手に持った感じ、Pixel 6 Proは大きいなという印象が強かったですね。
・バッテリーと充電性能
スマートフォンはバッテリーが切れたらただの重りに成り下がるため、バッテリー持ちが良いものを選びたいものです。
ここでいうバッテリーの持ちとは、バッテリー容量の大きさも重要な要素ではあり、その点だけでいえばPixel 6 Proは最重量級のタンクを積んでいます。
推定約3100mAhといわれるiPhone13 Proの1.5倍以上です。
5003mAhというと、小型のモバイルバッテリーと同じくらいであり、ワイヤレス給電に対応している機器ならば、シェアができる機能を生かせるところです。
ただ、バッテリー持ちは容量だけでは決まらず、CPU(プロセッサ)の性能が高ければアプリなどのタスク処理するときの負荷が小さくなり、消費電力がダウンします。
その点、iPhone13シリーズ はプロセッサの性能面で12シリーズのA14 BionicチップからA15 Bionicチップになったことで、省電力化が実現した、と謳っています。
Pixel 6シリーズも、Googleが自社開発したTensorというプロセッサを積んでいるわけですが、A15 Bionicとどっちが優れているのか?というのは難しいところです。
ただ、この手のCPUはバージョンを重ねるごとに歩留まりもよくなるのが一般的なので、iPhone13シリーズに一日の長がありそうです。
・RAMとROM
RAMとはランダムアクセスメモリの略で、CPUの作業を一時的に保存しておく場所の大きさを指します。
一方、ROMとはリードオンリーメモリの略で、CPUが作業し終えた成果物を保管する場所の大きさを指します。
例えるならば、RAMとはデスク机の大きさで、ROMとは自分の棚の大きさです。
自分の棚は大きければ大きいほど良い一方、デスク机は小さいと作業ロスが発生しますが、大きすぎても手間取ったりしますよね?
実はCPUも似たような面があり、大きければ良いという話ではなく、RAMが大きいとそれだけ消費電力がアップしてしまいます。
今の水準だとPixel6 Proの8GBはやや過剰に見えますが、もしも革新的な作業をするためには大きなデスク机が必要なんだとすれば興味深いポイントかもしれません。
■カメラ性能の比較
iPhone12 Pro | iPhone13 Pro | Pixel 5 | Pixel 6 Pro | |
メインカメラ | 1200万画素 (F値1.6) |
1200万画素 (F値1.5) | 1220万画素(F値1.7) デュアルPDAF |
5000万画素(F値1.85) レーザー検出AF |
手振れ補正 | 光学式 | センサーシフト光学式 | 光学式/電子式 | 光学式 |
センサーサイズ | 1.7μm | 1.9μm | 1.4μm | 2.4μm |
超広角機能 | 1200万画素(F値2.4) | 13mm 1200万画素(F値1.8) AF対応 マクロ撮影 |
1600万画素(F値2.2) | 1200万画素(F値2.2) レンズ補正 |
望遠機能 | 光学2倍ズーム (F値2.0) |
光学3倍ズーム (最大F値2.8) |
× | 光学4倍ズーム (最大20倍のズーム) F値3.5 |
記ハイエンドのスマートフォンにとってはカメラ性能は重要な差別化ポイントです。
比較している両者も相当力が入っており、スペック面では相当拮抗している印象です。
やや強引に違いを見ていきましょう。
iPhone13シリーズは、カメラ性能の向上を強調ポイントにしており、12シリーズから一段と性能が強化されています。
その強化ポイントの1つが手振れ防止機能です。
三脚などで固定しない撮影が前提となるので重要な機能です。
手振れ防止機能はざっくり言えば
電子式→光学式→センサーシフト光学式
という序列で優れています。
pixel6 proは光学式にとどまっているため、この点ではiPhone13シリーズに軍配があがります。
もう1つわかりやすい差と言えるのは、望遠レンズの性能です。
iPhone13Proは12Proの光学2倍から光学3倍ズームにパワーアップしたことが人気となっている要因となっていると思いますし、僕も型落ちの12proではなく13Proを買いたい強い動機になっていました。
この点ではPixel 6Proはなんと光学4倍ズームを搭載してきました。
競馬ファンならば競馬場でのレース撮影、お子さんがいる人ならば運動会での撮影など離れた場所から撮影せざるを得ない人にとっては魅力的なポイントです。
このほか僅かな差が垣間見えるのはF値です。
F値とは、レンズの焦点距離を有効口径で割った値を意味するのですが、要はこの数字が小さければ小さいほどたくさんの光を取り込めるため明るい仕上がりになり、高性能なレンズということができます。
しかし、このF値はやや複雑でレンズの種類が変われば当然、目安となる水準が変わります。
今回のケースで言えば、13proの望遠レンズのF値は2.8で、12proの望遠レンズのF値2.0よりも性能が悪いかというとそういう話ではなく、単純に望遠機能が強化されればその分F値が悪化するのは当然なのです。
そのためF値だけをもって性能を測ることができません。
また、画素数については、iPhone12と13は1200万画素なのに対して、Pixel6Pro は5000万画素と圧倒的に大きいのですが、この画素数は一定の水準ないと困るのですが、有れば有るだけ良いという話でもないのです。
画素数が大きい状態での撮影データは非常に重たいので扱いしづらいですし、撮影環境によっては逆に暗い写真になります。
そのためiPhoneシリーズは7シリーズ以降、1200万画素を維持し続けています。
Pixel 6 Proの画素数は評価が難しいところです。
以下の記事は、Iphone13 Pro Maxと Pixel 6 Proの撮影写真の仕上がりを比較した記事で、とても参考になります。
https://article.auone.jp/detail/1/3/7/48_7_r_20211026_1635232173199848
出元:「Pixel 6 Pro」と「iPhone 13 Pro Max」のカメラの違いを徹底比較したムービーが公開中
それぞれの推しポイント
ここまで解説してきた通りiPhone13Proが12シリーズから進化したポイントは、大きく新しいプロセッサ実装による省力化などでバッテリー持ちが良くなった点とカメラの高性能化の2点です。
この2つは派手さこそありませんが、買う側の気持ちを汲んだポイントともいえます。
またiPhoneシリーズはブランド力があり、フリマショップで売り捌くのに値段が下がりづらいという強みもあります。
このiPhone13シリーズのバージョンアップに対して、pixel6シリーズのバージョンアップはそれまでとは様相が異なります。
自社開発のプロセッサにより、Googleの強みであるAI技術や機械学習技術を活かした新しい機能を付加させています。
個人的に衝撃を受けたのはリアルタイム翻訳機能です。
以下は、pixel6の発表イベントにて、英語で話すスタッフと日本語で話すこんまりさんによるリアルタイム翻訳のデモンストレーション映像です。
未来がやってきた!というのが率直な印象で、英語のリスニングとスピーキングが苦手な僕にとっては欲しい機能!
こうした音声認識能力を活かした機能としては他に自前の録音アプリの字幕化機能に日本語が対応されています。
仕事で文字起こしの業務がある身としては録音すると同時に文字を高精度で起こしてくれるのなら、大変ありがたい機能です。
高性能なアプリもあるみたいですが利用料が高額なのです。
もちろんこうしたプロセッサの進化は音声認識だけでなくカメラにも影響しています。
その他の推しポイントが気になる方は以下の公式サイトもどうぞ。
https://store.google.com/jp/product/pixel_6_pro?hl=ja
総合評価
ここまでiPhone13Pro、Pixel6Proについてさまざまな観点で比較してきました。
どちらも素晴らしいスマートフォンであることは疑いようがないのは確かです。
実際、iPhone13Proを公式オンラインショップで購入しようとしたら発売から1ヶ月を経過してなお1ヵ月以上待つ必要があるという人気ぶりです。
また、Pixel6Proについても10月29日の発売を前に注文ができない色の機種も出ています。
毎日身につけるものでもあるので、自分のデザインの好みとフィットするかも大事なので判断は分かれるところかなと思います。
僕もどちらを買うかはギリギリまで悩もうと思います。
では。