スマートフォンは高額なので、何かの拍子でアスファルトの地面に落としたり、水に濡らしたりして、破損・故障してしまうのもさることながら、なくしてしまったり、盗まれたりしたら一大事です。
めったに起きないけれど、起きたときに困るようなシチュエーションへの対処としては「保険」が有効。
スマートフォンやモバイル機器の保険や保証サービスは、それぞれ個性があり、自分にあったものを選ぶ必要があります。
とはいえ、この手の保険商品は仕組みが複雑なことが多いため、比較するのも一苦労です。
この記事シリーズでは各社の保険を共通のモノサシできっちり比較し、どんな人におすすめなのかを商品ごとに解説していきます。
今回は、apple 製品を使っている人なら一度は聞いたことがある公式の保証サービス Apple Care+(アップルケアプラス)を紐解いていきます。
目次
■Apple Care +の特徴
Apple Care +とは、apple社が端末利用者に向けに提供している公式の保証サービスです。
iphoneシリーズの保証サービス以外にも、タブレット端末であるipad向け、ウェアラブル端末であるapple watch向け、さらにはワイヤレスイヤホンのearpod pro向けと用途ごとにサービスが分かれています。
・一括払いで保証が端末に紐づく
大きな特徴の1つに、2年間の保証代金を一括払いすることで、保証が端末に紐づく点があります。
これは何を意味するかというと、端末を持っている人が補償を受ける権利を持つことになります。
通常、保証サービスは基本的に保険金を払った人が補償を受け取れる権利を持っていますので、フリマサイト等で譲渡した場合、保険契約は意味をなさなくなります。
しかし、 Care +の場合は、製品に紐づいているので、補償を受ける権利ごと譲渡できます。
ちなみに、保証代金を毎月払いにすることもできますが、この場合は契約者であるユーザーのApple IDに保証が紐づき、端末には紐づかず、補償を受ける権利は譲渡できない点に要注意です。
・高額な保証代金と高額な修理コスト
もう1つの特徴は、保証を受けるためのコストが高額であるとともに、いざ修理を受ける際のコストも高額である点です。
iphone13 Proを例に出すと、保証代金として一括で26800円を払いつつ、画面修理の場合は修理コスト3700円、それ以外の修理の場合のコストが12900円となっています。
確かに高額ですが、そもそもCare +を契約していない場合の修理費用は、液晶画面割れを直そうとすると36680円、それ以外の修理だと70980円となっていることからすると、壊れたらそれまで!と割り切らない限りはリスクが大きいのが否めません。
・独自の手厚いサービス「エクスプレス交換」
その一方でCare +には手厚いサービスが存在します。
1つが「エクスプレス交換サービス」。
これは一言でいうと、一定の金額(=AppleCare+ サービス料)※を払うと、端末を新品同様に交換してくれるという魔法のようなサービスです。
※状況によっては無償の交換もある
公式サイトでは、ごちゃごちゃ書いてありますが、アップルストアやアップルの公式サポートに対してのヒアリングを総合すると、明らかな故意による破損もしくは修理ができないような重篤な故障がない限りは問題ない、とのことです。
このエクスプレス交換のお得具合は、iphoneなのかipadなのかなど端末によって異なります。
iphoneの場合は、どんなモデルであっても、一律12,900 円です。
https://support.apple.com/ja-jp/iphone/repair/service/express-replacement
Care+の保証代金に加えて、12900円さえ払えば新品にリフレッシュできる、という点こそがこの公式保証サービスの最大の魅力といえます。
・バッテリー最大容量が80%切れば無料でバッテリー交換
もう1つ、Care+独自のサービスが無料のバッテリー交換です。
この手のiPhoneを含めモバイル製品は長いこと使っていると、どうしてもリチウムイオンバッテリーの寿命が尽きてきてしまいます。
このサービスは80%という容量を下回ると、無料でバッテリーを交換するというものです。
この80%というのがクセモノで、80%付近に達するときには、相当バッテリーが痛んでおり、実際に使っている側からすると、もっと早く交換したいところを無料交換のために我慢して使う、という状況になりがちです。
とはいえ、確実に訪れるバッテリー問題を故障問題とは別に解消してくれるという点は公式保証であるApple Care+の特徴といえますね。
iphoneシリーズのapple care +の加入費用と修理費用まとめ
apple care +の加入費用は、端末のグレードによって料金が異なります。
参考までに、2021年11月現在のアップルストアにて128GBバージョンで購入した際の端末価格と2年間の保証を一括払いした際の金額を表にまとめました。
ちなみに、Apple Care +加入時のiphone シリーズの修理費用はどの端末であっても、液晶の修理が3700円、それ以外の修理は12900円となっています。
製品名 | 端末代金 | 画面修理※ | 通常修理※ |
Apple Care+一括払い
|
iphone 13 pro M | 134800 | 42,680 | 77,480 | 26800 |
iphone 13 pro | 122800 | 36,680 | 70,980 | 26800 |
iphone 13 | 98800 | 36,680 | 57,980 | 20800 |
iphone 13 mini | 86800 | 30,080 | 51,480 | 20800 |
iphone 12 | 86800 | 36,680 | 57,980 | 20800 |
iphone 12 mini | 69800 | 30,080 | 51,480 | 20800 |
iphone SE 2nd | 55800 | 15,950 | 33,440 | 11880 |
※Apple Care +非加入時の修理代
表からわかる通り、proシリーズだと保証料金がグン!とアップします。
一方、iphone13とiphone12の無印およびminiは保証料金が同じになっており、新しいかどうかというよりも、端末のグレードに左右されるもようです。
画面修理・通常修理は、ProかPro Max化によっても値段が異なっていて、保証費用よりも細かい設定となっています。
iphone SEは他と比較すると、保証料金がminiの半分近くまで安く設定されています。
というのも、先に書いたように、apple Care+加入時の修理費用は一律(3700円or12900円)であり、しかも、ため、端末代の安い機種で入ったほうがいいか?というのは悩ましい問題ですね。
■オススメ度総括
以上がapple公式保証サービスであるapple care +の説明になります。
公式のサービスということもあり、安心感こそありますが、ややコストが割高である点が否めません。
こと、iPhoneというスマホ端末においては、あまり入る意味はないかな、というのが本音ですね。
一時は、端末に保証が紐づき、保証ごと譲渡できるという点から、メルカリやラクマなどのフリマショップで販売する際に大きな差別化になっていた時期もありました。
しかし、今はフリマで買った端末でも入れるスマホ保険が増えてきたので、意味合いが弱くなってきています。
他の公式保証との比較については、以下の記事で詳しく書いていますので、こちらもご参考ください。