2021年後半から、iphoneシリーズの叩き売り・ばらまきがここにきて、激しくなっています。
iphone SEの第2世代から始まり、年末にかけてiphone 12 mini、そして年末年始では去年の9月に発売されたばかりのiphone13シリーズまでもがその対象になっています。
一体何が起きているのでしょうか。
都内で電車に乗れば、行く人来る人、みんなiphoneシリーズ!といったら大げさに聞こえるかもしれませんが、実際そうです(笑)。
特に、10代におけるiphoneのシェアは凄まじく、とある調査では10代男子の約7割、10代女子の約8割がiphoneシリーズ、という調査もあります。
出元:メイン利用している端末、iPhoneは「SE2」が人気、Androidはどのメーカーが1位に? 【MMD研調べ】
https://webtan.impress.co.jp/n/2022/01/28/42281
家電量販店に行くと、様々な機種が特売扱いになっています。
1円で買えるiphone SEの第2世代にすべきなのか?
最新のシリーズなのに、実質1円?の13miniを選べば良いのか?
よくわからなくなっている人も多いかと思います。
「一括1円」「お客様負担1円」は何が違うのか、iphone12よりも13を選ぶべき人はどういう人かなど、可能な限りこの混とんとした状況を整理し、「私はこのチョイスがベストね」とすっきりする人が一人でも増えればうれしいです。
目次
■iphoneSE、12、13の本当の値段
携帯電話端末、通信料金は昔から料金形態が複雑で有名です。
よくわからない値引きやキャンペーンを乱発して、知っている人が得して、知らない人が損をする、ということが常々起きてきました。
現在のiphoneシリーズも昨年の9月に発売された最新の13シリーズが「お客様負担1円」とうたわれて販売されており、うっかり飛びつくと騙されてしまいそうな雰囲気を醸し出しています。
まず、iphoneシリーズがどういう仕組みで売られているのかを整理します。
以下の表をご覧ください。
iphone 12 mini | A社 | B社 |
本体代金 (元の販売価格) |
71650 | 71280 |
30歳以下限定割 | ▲10000 | ▲10000 |
お店の独自割 | ▲29850 | ▲29480 |
MNP割引 | ▲22000 | ▲22000 |
残価戻し | ||
最終価格 | 9800 | 9800 |
上の表は、iphone12miniで1月下旬に行われているキャンペーンです。
いわゆる「一括9800円」というものです。
もう1つ、比較のために表を示します。
iphone 13 mini | C社 | A社 |
本体代金 (元の販売価格) |
98,208 | 101070 |
30歳以下 限定割 |
||
お店の独自割 | ▲27368 | ▲32509 |
MNP割引 | ▲22000 | ▲22000 |
残価戻し | ▲48840 | ▲46560 |
最終価格
(お客様負担額) |
23 | 1 |
これは、iphone 13miniが「お客様負担額1円!」とほぼ負担なしのような感じでばらまかれているキャンペーンです。
上と下の決定的な違いは、購入した携帯端末をそのまま自分のものにできるか、最大2年後に返却する必要があるのか?という部分です。
これが実際のキャンペーンでどこに反映されているかというと「残価」という記載です。
iphone13miniで言う残価とは2年後に端末を通信キャリア(ドコモやau)に返却して46560円なり48840円なり分の返済が残価と相殺されて消滅することで、実質的にほとんど負担がなくなる、という仕掛けなのです。
後で詳しく書きますが、最終的に返却するので、画面を傷つけたり、破損したりした場合、罰金が発生することになるリスクがあります。
上のiphone12miniのほうは値引きが3段構えになっています。
これは
- MNP割引:番号を引き継いでキャリア間を移行する契約(MNP)に対する通信キャリアからの割引
- 30歳以下限定割 :契約者が若者の場合だけ優遇するという年齢特権
- お店の独自割:法律上、通信キャリアはMNP割引の2.2万円以上ばらまけないので、一緒に購入する端末の購入(いわゆる物販)に対して値引きします、という割引
という立て付けです。
これらの結果、iphone12miniは、13miniのように本体を返却しなくても、9800円(64GBの場合)で本体を自分のものにできる、形になっているのです。
そのため、パット見たときの印象として、「負担額1円で最新機種なら、こっちのほうがいいじゃん!」と思っても、実は自分に合ってなかった、ということが起こりえます。
■iphoneSEを選んでいる人
iPhone SE、12mini, 13miniという携帯端末を並べた時に、共通しているのは、いわゆる小型で値段も安価なタイプと言ったところでしょうか。
まあ安価と言っても、同じiPhone 12、13シリーズの中では、という話で、定価で言えばキャリア価格で12miniが7万円超、13miniが10万円超となっていますけどね。
このSEは回線契約と一緒に購入すればほぼタダ同然で手に入れられる安さという点では最もわかりやすい特徴があります。
SEをゲットした時の記事はこちら。
この中でiPhone SEを選ぶのは値段もそうなんですが、旧型のiphone7、8と見た目やカメラ、指紋認証が同じである点が大きいと思います。
特に指紋認証については、iphone8の後継であるiphoneXから顔認証になり、直近の13シリーズも指紋認証が搭載されていません。
コロナ禍でマスクをせざるを得ない場面が増えている中で、指紋認証のニーズが見直されているのは確かで、iphone7や8を使ってきた人は、慣れ親しんできた操作感を変えずにシステム処理能力の高いCPUで快適サクサクに操作できるわけです。
私は3機種いずれも使ってきましたが、カメラにそこまでこだわりがないなら、このSEの使い勝手やバランスはハイレベルにまとまっているという印象があります。
■iPhone12を選ぶポイント
・12miniとSEの比較
iPhone12miniは、SEを比較した時の優位性として
・カメラ
・デュアルSIM
・処理スペック
があります。
カメラは同じ光量でより被写体を明るく撮影できるF値と呼ばれる物理スペックもさることながら、撮影した画像をAIが自動で補正して見栄えを良くする「コンピュテーショナルフォトグラフィ」の性能が向上しておりカタログ性能以上の手応えがあります。
デュアルSIMは、物理SIMプラスeSIMの2つのSIMを差せるようになっており、2つの通信会社を使い分けて使うことができるようになっています。
これは使ったことがない人には良さを実感が分らないかもしれませんが、
メイン通信SIMをUQモバイルにしつつ、サブ通信SIMとして1GB内、アプリ通話で無料となる楽天モバイルを利用し、状況に応じて使い分けるということが可能になります。
特に楽天モバイルはそれ単独で使うには、繋がらないリスクが大きすぎるため、2つを使い分ける意味は大きいです。
・12miniと13miniの比較
まず性能差を整理します。
最新の13miniの優位性は
・カメラ
・バッテリー持ち
・処理スピード
カメラの性能向上は、かなりパワーアップしています。
同じ光量でより被写体を明るく撮影できるF値の進化に加え、手ぶれ補正のシステムが全シリーズで12ProMaxのみに搭載されたプレミア機能であるセンサーシフト式手ぶれ補正が採用されています。
まあカメラにこだわりたい人は今回紹介しているコンパクトタイプよりもハイエンドなものを選んだ方が良いので、以下の記事もご参照ください。
バッテリー持ちについては、電車でネットを見るような使い方をしている人は1日持たない、という12miniの最大の弱点が多少改善されたのは無視できない改善ポイントです。
とはいえ、劇的に改善した!というほどでのものでもないのが悩ましいところ。
iPhone12miniと13miniの価格差は、前者が一括9,800円、後者が端末返却で1円とどれくらい差があるか分かりにくくなっていますが、同じ条件(一括で入手)で比較すると実際は4万円ほどあります。
iPhone12miniの投げ売り・ばらまきは2021年10月からどんどん加速しています。
11月の時点では12miniも今の13miniと同じような条件で売られていたのですが、わずか2ヶ月ほどの間にキャンペーンが刻一刻と進化して今に至ります。
そういう意味では、発売から1年と数ヶ月の12miniの叩き売り感が異常なだけで、最新の13シリーズを、端末返却でタダ同然で使えるのは悪くない話です。
こうなると、そもそも返却する、ということに抵抗感がある人とない人に分かれそうです。
同じ端末を2年、3年と使い続けたい人は、12miniを選ぶべきです。
古い端末をメルカリやラクマなどのフリマアプリで売却しながら新しい機種をどんどん試したい人にとっては、返却できる、というのが魅力的に映ってきます。
見方を変えれば、中古市場がどうなっているかわからない2年後において、通信キャリアに対して、決まった金額で売りつけることができる契約を結べるわけですから。
■こだわりがないならみんなが使っているスマホを
ここまで百花繚乱なiphoneシリーズの中から、好きなものを選べる、しかもタダ同然で、というのは本当にありがたい話です。
このような通信キャリアによる叩き売り・ばら撒きがいつまで続くかはわかりませんし、今年のうちに潮目が変わってしまう可能性は十分にあります。
1つ言えることは、携帯なんてどれでもいい、という人ほどなるべく早く安いiPhoneを選んだ方がいいということです。
ここまでのばら撒き政策によりiPhoneを使っている人の割合は高まっているので、周りの人と同じタイプのスマホを使うことによる恩恵は多々あります。
例えば、操作方法がわからない部分があっても教えてもらえる、というのは侮れない恩恵です。
AndroidスマホだとWebブラウザを開く操作からiPhone と勝手が違う端末も多いですからね。。。
では。